先週のある晩、仕事を終え帰宅すると(我家の場合2階へ上がるだけだが・・・)
テーブルの上に用意されていたのは、長女の力作のロールキャベツとオニオングラタンスープ、その傍らには届けられた綺麗な花束。
「そうか・・・今日は21回目の結婚記念日か・・・」
僕には小学校時代(5年生の時かな?)出会ったN君という友人がいる。
N君は35年前当時、小さな腎臓にメスを入れることを余儀なくされ、その結果みんなと同じように勉強や運動が出来ない体になっていた。
「N~こっちこいよ~」
ポツンと一人で居ることの多かった彼を、なぜだか僕はいつも・・・(他の友人の手前)からかい半分・・・仲間に入れていた・・・
そんな記憶しか残っていない。
今でもとりわけ親しい訳でもなく、定期的に合っている訳でもない。
なのに毎年この日、彼からの花束が送られてくる。
「ありがとう!嬉しいよ」と掛けた電話の後、なぜか溢れ出しそうな涙を、家族の前で必死にこらえた。
「君が嬉しい事が、僕には嬉しい・・・」
あの頃と変わらないカタコトの彼の言葉が、なんどもなんども頭の中で繰り返された。