家について考える

●場所に住む
家の設計は「敷地を読む」ところから始まります。
家の数だけ敷地があり、それは一つとして同じものはありません。敷地の形や大きさはもちろん、道路、隣地など周辺環境もすべて異なります。
ですから、その場所に合った、最適な暮らし方を探るのです。街中でも、緑豊かな郊外でも、その場所だからこそ出来る暮らしがあり、ヒントはすべて敷地にあると言ってもよいかもしれません。
その場所の自然を上手く取り入れ、自然とともに過ごせるような家を創造します。

●暮らしのための器
基本的にシンプルが好きです。
家も同じ。あったらいいなと思うことは沢山あるけれど、それは、その家にとって、住まい手にとって、暮らしにとって、本当に必要なことなのか?どの場面でも、常に意識しながら設計を進めることで、家も、暮らしも、シンプルに近づくと考えています。
あくまでも家は、そこに暮らす人のための器であり、主役ではありません。着飾ったり、目立とうとせず、普通の家で良いのです。

●冬のあたたかな陽だまり、夏の心地よい風
太陽の光や熱、そして風といった自然エネルギーを上手に利用して、快適な家づくりをしようとする設計手法をパッシブデザインと言います。
私たちはそんなパッシブデザインをベースに、「断熱と気密の優れた箱+次世代ソーラーシステム等」により、電気やガスなど光熱費の使用量を削減しながらも、無理なく快適に暮らせる家づくりを目指しています。

「快適に、そして安心して暮らせる家が欲しい」

マイホームをお考えの方なら、誰しもこんな要望をお持ちのはず。

現在、日本の法律には省エネに関する最低基準はなく、断熱材のまったく無い家でも造ることができます。
また、戸建て住宅の大半がそれに相当する2階建ての木造住宅は、構造計算が必須とされておらず、残念ながら殆どの木造住宅は、いまだに根拠の無い「大工の感」レベルの構造設計が実情です。

なので、一般的にはいまどき当たり前と思われがちな内容ながら、あえて、改めてお伝えしたいと思います。

私たちは、「快適に、そして安心して暮らせる家」を実現するために、以下の3つの基本性能を重要視し、家の設計をしています。

3つの基本性能

●魔法瓶のように[断熱性]
断熱は、その種類や厚さ、使用する箇所をしっかり検討して、その家に合った最適な断熱を施すことが大切です。洋服に例えるとわかりやすいのですが、重ね着をするだけで暖かくなり、同じ厚さでも、綿なのかウールなのか、種類によって暖かさは違います。また、人の体でもそれぞれの部位に適した服の厚さと素材があるように、家も、屋根・外壁・窓・床…それぞれに適した断熱をすることで、バランスが取れた暖かな家になります。特に、窓は熱の損失量が外壁の2.5倍とも言われており、サッシュ及びガラスの断熱性能を上げることで効果は高まります。

●空気の漏れを無くす[気密性]
いくら性能の高い断熱材を吟味して施工したところで、家に隙間があっては元も子もありません。空気の室内への出入りはもちろん、壁体内結露による骨組みの痛み、またダニ等による住まい手の健康被害の原因にもなります。ですから、隙間ができやすい箇所に注意しながら工事を進めていく必要があります。これは、材料の種類による訳ではなく、実際つくる職人さんの腕によるところが大きいのが現状です。それを第三者の目で監理をするのも、私たちの仕事のひとつです。

●安心安全のために[耐震性]
地震大国の日本。地震に対して考慮し、家そのものの財産価値や居住者の身の安全を守らなくてはなりません。また、地震以外にも暴風や積雪など、様々な影響を受ける可能性があります。そのような自然災害に対応するため、柱や梁、主要な壁、基礎はもちろん、地盤下の補強も含め、構造躯体の強さを構造計算により確認し、その建物ごとに合った骨組みを設計することが大切です。